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高校生 数学をなんとなく

初心者から始める!競技プログラミング

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この記事では,プログラミング・パソコン初心者の私が,事前に知っておいて良かった情報実際につまづいたポイントを,初心者にもわかりやすく「等身大」で説明いたします.

競技プログラミングについて

競技プログラミングとは?

競技プログラミング(以下競プロ)とは,コンピュータプログラミングの能力や技術を競い合う「プログラミングコンテスト」の一種です.

 

参加者全員に同一の課題が出題され,より早く与えられた要求を満足するプログラムを正確に記述することを競います.

 

コンテストはインターネット上の各種ウェブサイトで,週一回ほどの周期で定期的に開催されています.

有名な競プロサイト

この節では,主要・有名な競技プログラミングコンテストのサイトを紹介します.

 

今回は,

 

  1.  AtCoder(アットコーダー)
  2.  Topcoder(トップコーダー)
  3.  Codeforces(コードフォースィズ)

 

の,以上三種類のサイトについて簡単に説明します.

1. AtCoder

AtCoderAtCoder株式会社が提供している,日本発プログラミングコンテストサイトです.

atcoder.jp

週一回のペースで何かしらのコンテストが開催されています.

 

また「AtCoder Problems」や「AtCoder Scores」といった,とても便利な外部ウェブサイトが充実しています.

 

加えて,C++プログラミング初心者のためのオンライン入門教材(APG4b)も存在していて,初心者でも始めやすい環境が整えられています.

 

外国のサイトと違い,質の高い問題が日本語で提供されるので,日本人には嬉しいですよね.

2. Topcoder

TopcoderはAppirio社が提供している,アメリカ発プログラミングコンテストサイトです.

www.topcoder.com

今回紹介している3つのサイトの中では最も長い歴史を誇ります(2001年~).

 

登録するまでは簡単ですが,参加までの手順が他の大会と比べて少し面倒くさい(らしい?)です.

3. Codeforces

CodeforcesはITMO Universityに所属するMike Mirzayanovさん達が実施している,ロシア発プログラミングコンテストサイトです.

codeforces.com

およそ85000人ものユーザー数(2020年5月現在)を誇る,世界で最も規模の大きいコンテストサイトです.

 

コンテストの開催頻度が非常に高いのが一番の魅力ですね.

競プロのはじめ方

今回の記事では,競プロの「初心者にはオススメしない」はじめ方を説明します.

初心者にオススメしないはじめ方

これから紹介するポイントを押さえておけば,競技プログラミング楽に・簡単に始めることができます.

 

以下の二つが,今回説明する「初心者に注意してほしいポイント」です.

1. PC上でプログラミング言語(特にC/C++)の環境構築をする

競プロを紹介しているサイトでは,まず初めにLinuxなどを用いたプログラミング言語の環境構築を勧めています.

 

自分の書いたプログラミングコードを手元でテストできると便利ですからね.

 

私は,初心者にこの方法は全くお勧めしません

 

私自身,UbuntuVScodeなどのアプリケーションを自分のパソコンにダウンロードし,必死に環境構築を頑張ってみました.

 

しかし,C言語の環境構築はできても,C++の環境構築はまったく上手くできませんでした...

 

このような,競プロではない「非本質的で煩雑な作業」を,パソコンの扱いに不慣れな人がやろうとすると,とても大きな負担になり,モチベーションも下がってしまいます.

 

幸運なことに,現在は自分のPC上で環境構築をしなくとも,AtCoderコードテストWandboxなどの,ブラウザ上で稼働する「オンラインコンパイラがあります.

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オンラインコンパイラAtCoderのコードテスト)

これを使えば,競プロは(少なくとも初級者のレベルでは)問題なく始められるでしょう.

 

実際に私も,現在はオンラインコンパイラで競プロを楽しんでいます.

2. はじめから高すぎる目標を持つ

競プロをはじめる理由は人それぞれ,多種多様です.

 

プログラミング言語を学び,使いこなせるようになりたい」人や「オンライン上で世界中の人たちと対戦してみたい」人,はたまた「ただの暇つぶし」という人もいるでしょう.

しかし,ほとんどの人は「より高いレベル」,AtCoder の用語でいうとより高いレーティングを目指していると思います.

 

競プロ界隈では,レッドコーダーと呼ばれる,プログラミング界の「神」のような存在がいます.

 

最初からレッドコーダーを目指す!」という壮大な目標を立てても,そのモチベーションは永遠には続きません.

 

できるだけ短期的な,長くとも1年以内の目標を持つとよいでしょう.

 

私は1年以内に,水色コーダー(レート1200以上)到達を目指して,現在頑張っております.

(応援してくれたら嬉しいです...)

まとめ

 

とても気軽に始められて,どっぷりとのめり込むことができるのが競プロの良さです.

 

年齢や理系文系関係なしに,遊び感覚で論理的思考力を鍛えることができます.

 

また,最近は競プロを通した転職・就職活動も盛んで,やって損をすることはないと断言できます.

 

この記事を読んで,少しでも競技プログラミングが気になった方は早速登録してみてくださいね!

 

↓下のリンクから,AtCoderの新規登録ができます.(もちろん無料です!!)

atcoder.jp

 

最後までご覧いただきありがとうございました.

 

次回の記事もお楽しみに!

参考文献

Wikipediaいろいろ (競技プログラミングプログラミングコンテストetc.)

AtCoder - https://atcoder.jp

Topcoder - https://www.topcoder.com

Codeforces - https://codeforces.com

AtCoder コンテストについての tips - https://qiita.com/drken/items/8a6f139158cde8a61dce

C++入門 AtCoder Programming Guide for beginners (APG4b) - https://atcoder.jp/contests/apg4b

【数学の考え方(全六回)】第一回 たし算・かけ算から学ぶ計算のしくみ ~アタリマエを疑う~

ブログを始めてから初めて,私のブログが対象としている「読者の基準」が明確でないことに気づかされました.

 

その問題を解決するための新シリーズです.

数学の考え方とは?

「数学の考え方」では,全六回に及び

 

数学をイチから学ぶ際に役立つ「根底の考え方」
今後めちゃくちゃ重要になる「数学の基礎」
 

を丁寧に解説していきます.

 

数学の「基礎中の基礎」から取り扱い,少しずつステップアップしていくので,

 

数学が苦手で「どこからやり直せばいいのかわからない」中高生の皆さん
算数・数学を学びなおしたい大人の方々
数学が好きなそこのあなた

 

などなど,皆さん大歓迎です!

ぜひ,私と一緒に楽しみながら数学しましょう!

 

全六回の記事一覧です.

      • 第一回 たし算・かけ算から学ぶ計算のしくみ(←now!!)
      • 第二回  ≦ と < の小さな違い・大きな違い
      • 第三回 小中高の算数・数学からわかる!一般化のはなし
      • 第四回 幾何学はたった「5つの約束」でできている!?
      • 第五回 もう忘れない!必要条件・十分条件の見分け方
      • 第六回 必見!!こんなに面白い数学史

それでは,Let's math!

四則演算(+,-,×,÷)の復習

皆さんは「四則演算」をご存じでしょうか?

 

四則演算とは

  • たし算(加算,+,addition)
  • ひき算(減算,-,subtraction)
  • かけ算(乗算,×,multiplication)
  • わり算(除算,÷,division)

計4つの演算のことをいいます.

(かけ算の記号は「・」と表記されたり,省略されたりします.)

(この記事では,演算=計算と解釈しても大丈夫です.)

 

皆さんも日常生活で,買い物や割り勘などをするときによく計算しますよね.

 

(ex)

一部屋1000円のカラオケボックスを4人で借りるとき,

一人何円ずつお金を払えばよいか? 

(ans)

1000(円)÷4(人)=250(円/1人)

 

しかし,異なる演算子(+,-などの記号)が1つの式に含まれている場合では,計算する順序によって答えが変わることがあります.

 

(ex)

12÷3-2

(ans.1) (12÷3)-2=4-2=2

(ans.2) 12÷(3-2)=12÷1=12

 

このような問題を解決する,つまり

 

全員が同じ問題を解き,全員が同じ答えを出す

 

ために生まれたのが,小学校で習う「計算のルール」です.

計算のルール

  • かっこの中から計算する
  • かけ算・わり算はたし算・ひき算より先に計算する
  • かけ算・わり算のみの式は前から計算する
  • たし算・ひき算のみの式も前から計算する

計算のルールを一通り確認し終えたところで,練習問題に挑戦しましょう.

 

(ex)

12÷4+(3×2-4)×5=?

 

(ans)

12÷4+(3×2-4)×5

=3+(6-4)×5

=3+2×5

13

 

次の問題はどうでしょうか.

 

(ex)

6÷2(1+2)=?

 

(ans)

考え方による

 → 1 or 9

 

実はこの問題,ネット上で議論を巻き起こした問題なんです.

この問題を引き起こしている原因は,簡単に言うと「解釈の違い」です.

 

詳細はリンク先のサイトを参照してください.

dic.nicovideo.jp

 

私は,後者のような「個人の解釈」によって答えが一意に定まらないものについて,「数学的に考える必要がない」と思っています.

四則演算の世界

私と一緒に自然数から始まる数の世界を冒険していきましょう!

数の世界の始まりと自然数

数の起源は自然数で「ものを数えるために生まれた」と考えられています.

人間が自然に考えついた数なので「自然数」と呼ばれているらしいです.

 

日本では正の整数(1,2,3,4,etc.)を自然数と定義していますが,

フランスなどでは非負整数(0,1,2,3,etc.)を自然数と定義しています.

 

位取り記数法について

位取り記数法とは,数の表現方法の一種で,あらかじめ定められた種類かの記号や数字を並べることによって数を表す方法です.

 

例えば,日本人を含む多くの人類が現在使用している10進法では,10種類のアラビア数字(0,1,2,3,4,5,6,7,8,9)を横に並べることによって,数を表しています.

(数字の代わりに数種類のローマ字(a,b,c,d,etc.)を利用する場合もあります.)

 

「10進法なんて当たり前」と思う人もいるかもしれませんが,実はそれほど当たり前ではありません.

 

たまたま人間の指の本数が合計10本だったので,10進法を利用しているだけなのです.

 

実際に,メソポタミア文明では60進法マヤ文明では20進法が利用されていました.

60や20の由来が気になる方はぜひご自身で調べてみてください. 

 

特に,60進法は現在でも時間(時・分・秒)をあらわすときに使われていますよね.

 

(ex)

2本指の宇宙人は何進法を使っているでしょうか?

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自然数とたし算・かけ算の世界

私たちの知っている数は自然数のみとします.

自然数の世界のみで出来る計算はあるでしょうか?

 

試しに,自然数の世界でたし算をしてみましょう.

 

1+1=2

3+4=7 etc.

 

(ex)

自然数)+(自然数)は自然数でしょうか?

(ans)

常に自然数

 

このように,たし算は自然数の世界のみで計算が成り立ちます.

 

かけ算でも試してみましょう.

 

2×3=6

3×5=15 etc.

 

(ex)

自然数)×(自然数)は自然数でしょうか?

(ans)

常に自然数

 

こちらもたし算と同様に,自然数の世界のみで計算が成り立っています.

 

このような場合,自然数の集合はたし算とかけ算について閉じていると言います.

閉じているとき,自然数の集合上でたし算とかけ算は定義できるのです.

 

「その世界だけで完結している(成り立っている)」というイメージが,閉じているという言葉に現れていますね.

 

(ex)

なぜ自然数の定義に0を含めても含めなくてもよいのか?

キーワード:閉じている

 

(ex)

 

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整数とひき算の世界

私たちは現在,自然数の世界までを知っています.

 

試しに,自然数の世界でひき算をしてみましょう.

 

3-2=1

5-9=? etc.

 

(ex)

自然数)-(自然数)は自然数でしょうか?

(ans)

自然数とは限らない

 

自然数の世界のみで計算しているので,1(または0)より小さい数は存在しません.

 

このように,ひき算は自然数の世界だけでは成り立ちません.

 

この場合,自然数の集合はひき算について閉じていないといいます.

閉じていないとき,自然数の集合上でひき算は定義できないのです.

 

これは不便です.家計のやりくりもできません.

 

現代人は負の数の概念に対して抵抗を感じないかもしれませんが,「人間は考える葦である」で有名な大天才パスカルでさえ,負の数の概念は理解できませんでした.

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ブレーズ・パスカル

そこで私たちは,自然数の集合をより使いやすい(ひき算ができる)数の集合に進化させようと考えます.

 

この「便利になりたいよう」という感覚が,数学の情緒というものです.

 

そして私たちは試行錯誤して整数の世界を発見します.

 

整数とは「0 とそれに 1 ずつ加えていって得られる自然数 (1, 2, 3, 4, …) および 1 ずつ引いていって得られる数 (−1, −2, −3, −4, …) の総称」のことです.

 

なので,整数の世界は自然数の世界を含んでいます.(自然数の集合 \subset 整数の集合)

 

整数の世界で,ひき算はできるのでしょうか?

 

(ex)

(整数)-(整数)は整数でしょうか?

(ans)

常に整数

 

新しい数の世界である整数の世界では,ひき算ができるようになりました.

 

整数の集合はひき算について閉じている,つまり,整数の集合上でひき算は定義できるというわけです.

 

同様に整数の集合はたし算・かけ算についても閉じています.

 

つまり,整数の集合上でたし算・かけ算・ひき算は定義できます

 

こうして私たちは,自然数よりも使い勝手の良い整数を手に入れることができました.

有理数とわり算の世界

私たちは,自然数の世界を含む,より大きな整数の世界を手に入れました.

 

今度はわり算です.

果たして,整数の世界でわり算はできる(整数の集合について閉じている)でしょうか

 

6÷3=2

5÷3=? etc.

 

(ex)

(整数)÷(整数)は整数でしょうか?

(ans)

整数とは限らない

 

整数の世界で計算しているので,分数は存在しません.

このように,わり算は整数の世界だけでは成り立ちません.

 

わり算は自然数の世界でも同様の理由で成り立ちません.

 

ここで再び登場するのが「もっと便利になりたいよう」という数学の情緒です.

 

そして試行錯誤して,私たちは有理数の世界を発見するわけです.

 

有理数とは,整数の比で表される数,つまり分数のことです.

なので,有理数の世界は整数の世界を含んでいます.(整数の集合 \subset 有理数の集合)

 

有理数の世界で,わり算はできるのでしょうか?

 

(ex)

有理数)÷(有理数)は有理数でしょうか?

(ans)

常に有理数

 

より新しい数の世界である有理数の世界では,わり算ができるようになりました.

有理数の集合はわり算について閉じているというわけです.

 

同様に,有理数の集合はたし算・かけ算・ひき算についても閉じています.

 

つまり,有理数の集合上で四則演算は定義できるのです.

 

こうして私たちは,整数よりも使い勝手の良い有理数を手に入れることができました.

無理数,そして実数へ...

数の世界の冒険も,もうそろそろ終盤です.

 

学校では数の大小関係などについて学ぶとき,よく数直線が用いられます.

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数直線

私たちは現在,有理数の世界までを知っています.

 

(ex)

有理数のみで数直線上の数を取りつくすことができるか?

(ans)

できない

 

なんと,数直線上には無理数という,整数の比で表すことのできない数が存在します!

 

無理数の例)

ルート2=1.41421...

円周率π=3.14159...

自然対数の底e=2.71828...

etc.

 

学校では,背理法を使う練習として「ルート2が無理数であることの証明」がよく取り扱われていますね.

mathtrain.jp

この無理数の集合と有理数の集合を合わせると,実数の集合になります.

(本来は,有理数ではない実数を無理数と定義したほうが自然.

有理数の集合を「完備化」して実数の集合にすると考えると現代的.)

 

有理数の集合が進化した実数の集合は,数直線上の数を取りつくすことができます.

 

このことを,数学の言葉では「実数の集合と数直線上の数は一対一対応している」と言います.

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一対一対応のイメージ

実数の集合が四則演算(たし算,ひき算,かけ算,わり算)について閉じていることは簡単に確かめられます.

 

(ex)

有理数の集合上でも実数の集合上でも四則演算は定義できます.

この二つの集合は,どのような点で決定的に違うのでしょうか?

 

長旅お疲れ様です.

数の世界の冒険はひとまずここでおしまい.

計算(演算)とは何か?

数の世界の旅を通じて,知ってもらいたかったことは,

 

計算とは何か?

 

ということです.

 

私たちが日々「アタリマエ」に使っている計算の根拠・計算できる理由が,この旅を通じて少しは実感できましたか?

 

(今回はわかりやすさ重視で「演算」から「集合」を見つけましたが,本来は「集合」から「演算」が定義されます.)

 

今回のような「アタリマエを掘り下げる」行為は,科学的な精神にほかなりません.

 

常日頃「アタリマエとは何か?」について考えながら生活をすると,まったく新しい世界が見えてくることでしょう.

広大な世界へ...

かけ算の順序問題

皆さんは「かけ算の順序問題」をご存じでしょうか?

 

(ex)

リンゴが3個ずつ入った袋が全部で4袋あります.

リンゴは全部でいくつありますか?

(ans.1) 3×4=12(個)

(ans.2) 4×3=12(個)

 

(ans.1)と(ans.2)はどちらも同じ答えを導き出していて,両方正解に見えます.

 

かけ算の順序問題は,ある小学校の教員が(ans.2)の解答にバツをつけたことから勃発しました.

 

具体的な内容は以下の動画やリンクを参照してください.

(特に以下の動画は皆さんに見てほしいです!!)


【数学小話】3×4≠4×3?

算数「かけ算の順序」を中心に数学教育を考える 掲示板

とある東大生はかけ算に順序が必要だと考えます|Nao Harada|note

かけ算の順序問題 - Wikipedia 

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上記の通り,いろいろな意見があります.

 

一概にどちらが正しいとは言えませんが,私はこの問題について「考える意味がない」と考えます.

 

それらは定義の問題で,人によって意見が変わってくるのは明白です.

 

皆さんはどう考えますか?

群・環・体について

先ほどは,演算がある集合について閉じていることが必要と述べました.

この考え方は,現代数学の源泉である群・環・体」の理論へとつながっています.

 

この理論を一言で説明すると,

 

「数学(主に代数学)のエッセンスを抽出したことで,幅広い応用が利く理論」

 

です.

 

以下に,演算の正確な定義と群環体それぞれの定義を述べます.

 

定義が難しく感じる方は,群環体の具体例だけでも確認してみてください.

(抽象的な物事を学ぶ際は,具体例を確認することが上達への最短ルートですので!)

演算の正確な定義 

 X が集合であるとき,写像 \phi : X \times X \to X のことを集合 X 上の演算という.混乱の恐れがない時には, \phi(a,b) の代わりに ab と書く.

群の定義

 G空集合ではない集合とする. G 上の演算が定義されていて次の性質を満たすとき, Gという.

  1. 単位元と呼ばれる元 e \in G があり,すべての a \in G に対し ae = ea = a となる.
  2. すべての a \in G に対し b \in G が存在し, ab = ba = e となる.この元 ba逆元とよばれ, a^{-1} と書く.
  3. (結合法則) すべての a,b,c \in G に対し, (ab)c = a(bc) が成り立つ.

群の具体例:

 G = 整数,有理数自然数の集合は通常の加法により可換群(交換法則が成り立つ)

 G = (0を除いた)有理数,実数の集合は通常の乗法について可換群

環の定義

集合 A に二つの演算 +\times (加法・乗法,あるいは和・積)が定義されていて,次の性質を満たすとき, Aという.以下, a \times b の代わりに ab と書く.

  1.  A + に関して可換群になる.
  2. (積の結合法則)  すべての a,b,c \in A に対し, (ab)c = a(bc)
  3. (分配法則) すべての a,b,c \in A に対し, a(b+c) = ab + ac(a+b)c = ac + bc 
  4. 乗法についての単位元 1 がある.つまり, 1a = a1 = a がすべての a \in A に対して成り立つ.

環の具体例:

整数の集合は通常の加法と乗法により環

一元集合 A = {0} を, 0 + 0 =00 \times 0 = 0 と定義すると, A は環である(零環自明な環

体の定義

集合 K に二つの演算 +\times (加法・乗法,あるいは和・積)が定義されていて,次の条件を満たすとき Kという.

  1. 演算 +,\times により K は環になる.
  2. 任意の K \in a \neq 0 が乗法に関して可逆元である逆元が存在する).

体の例:

 有理数,実数の集合は通常の加法と乗法により体であり,それぞれ有理数実数体という

 

(上記の定義に「加法」や「乗法」が出てきましたが,これらは一般の(任意の)演算で,定義によって変わります.)

まとめ

今回のキーポイント

  • 四則演算の順序をcheck!
  • ある集合 S について演算が閉じているとき, S 上で演算が定義できる
  • 自分が「アタリマエ」だと思っていることを常に疑う → 科学的な精神

最後までご覧いただきありがとうございました.

次回の記事もお楽しみに!

参考文献

wikipediaいろいろ

いらすとや-https://www.irasutoya.com/

数の起源-http://www7a.biglobe.ne.jp/~number/page1.html

ニコニコ大百科-https://dic.nicovideo.jp/a/6%C3%B72%281%2B2%29

高校数学の美しい物語-https://mathtrain.jp/

その他文中のリンク

雪江明彦著『代数学1 群論入門』 

「読んでみた」シリーズ プロローグ

これから始まる「読んでみた」シリーズの紹介記事です.

「読んでみた」シリーズとは?

「読んでみた」シリーズでは,数学が好きな高校生である私Fが,今までに読んだ本(主に数学書)の感想・解説を書きます.

 

しかしながら,私もまだまだブログ・数学初心者です.

 

自分自身の文章力や数学力のレベルアップも兼ねて,記事作成を頑張ります.

わかりにくい表現・用語などがあれば,指摘してもらえると嬉しいです.

今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m

本の紹介

現在執筆中の記事は,

 

  • 加藤和也著『数論への招待』
  • 吉田信夫著『具体例で親しむ高校数学からの極限的数論入門』
  • テレンス・タオ著『数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方』
  • 長岡亮介著『東大の数学入試問題を楽しむ』 

 

 の四冊です.それぞれの本について簡単に説明します.

 

『数論への招待』

一つ目の『数論への招待』は,月刊雑誌『数学セミナー 』で2年半にわたって連載された記事を,一冊の本としてまとめ上げたものです.

 

三角形と素数の「神秘的」なつながりから,現代数学の一大テーマである「p進数」の世界へと誘う,素敵な本です.

 

独特な表現や語り口が癖になります.高校生でも楽しく読めます.

また,著者の加藤和也さんは数学の分野の一つである「整数論」の世界的権威でもあります.

 

p進数の世界は,昼間の星のように,めだたない見えにくいものです.けれども本当はこの宇宙は,そういう見えにくいもので支えられているのでしょう.

――― 加藤和也著「数論への招待 第2章 実数とp進数」より引用

 

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『具体例で親しむ高校数学からの極限的数論入門』

二つ目の『極限的数論入門』は,関西を中心に勢力を拡大している予備校「研伸館」の現役講師である著者が,高校生にもわかりやすく,無限和や無限積,面白い性質を持つ数たちについて説明しています.

 

タイトルに含まれる「具体例で親しむ高校数学からの」からもわかるように,手を動かし具体例を確かめながら読むと,より楽しめる本です.高校生でも気軽に読めます.

 

深く考えれば,どんな数学も楽しいものです.いろいろな具体例を考えていくことで,どんどん理解が深まるものです.そして親近感がわいてくるはずです.

――― 吉田信夫著「極限的数論入門 まえがき」より引用

 

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数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方』

三つ目の『数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方』は,あらゆる物事に通じる「問題解決の方法」を学べる良書です.

 

数学オリンピックを目指している人はもちろん,美しい数学に触れたい人にはお勧めです.

 

また,著者のテレンス・タオ氏は,国際数学オリンピック金メダリストに12歳の若さで輝きました.その才能衰えることなく,2006年には数学界のノーベル賞と呼ばれる「フィールズ賞」を受賞しました.天才すぎます...

 

(実はこの本は,テレンス・タオ氏が15歳の時に書いたものなんです...ひえぇ...)

 

古代ギリシアの哲学者プロクロスはこう言った.

「これが,ゆえに,数学なのである.数学は,目に見えない魂の形を思い出させる.数学は自分自身の発見物に生命を吹き込む.数学は私たちの心を目ざめさせ,知性を浄化する.数学は私たちの本来の考えを明るみに出す.数学は生まれながらの私たちの忘却と無知の状態に終止符を打つ.」

しかし私が数学を好きなのはただそれが面白いからである.

――― テレンス・タオ著「数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方 初版へのまえがき」より引用

 

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『東大の数学入試問題を楽しむ』

四つ目の『東大の数学入試問題を楽しむ』は,日本が誇る「東京大学」が今までに出題してきた数学入試問題を,著者が自分自身の思想や所感を絡めて紹介・解説している本です.

 

過去・現在・未来の情勢を,著者がユニークな切り口語り口で論じているので,数学が苦手な人にとっても,ひとつの完成された「エッセイ(もしくは評論)」として十二分に楽しく読めます.

 

著者である長岡亮介氏は,趣味に『数学教育』を挙げるほどの教育熱心な人で,数学の本質(社会の本質?)を伝えようとする一貫した姿勢は,本文中にも随所に表れています.

 

 実は,今日,「理系 vs. 文系」という分類自身が,すでに古くさい.

(中略)

今日のような複雑化した社会の中で,新領域を開拓していくためには,干涸びた類型にとらわれない自由な発想と,その発想を支える幅広い教養が必須である.他人と同じ発想をし,同じ規範で行動する,要するに,世間と時代に阿る態度では,到底,現代の困難を打開することはできるはずがない.

――― 長岡亮介著「東大の数学入試問題を楽しむ 第9話 理系 vs. 文系?!」より引用
 

筆者は,次世代を担う青年には,自分の人生はもちろん,社会の未来を切り拓く心構えと責任感をもってほしいと願う.

(中略)

「大の大人たち」すら「子供扱い」するこの国では,若者に対しては,もっとひどい子供扱いが罷り通っていることにも気づいてほしい.

――― 長岡亮介著「東大の数学入試問題を楽しむ 第29話 大人扱いの苦手な近年の日本」より引用

 

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今回は「簡単な紹介」なので,専門用語などの説明は省きました.

詳しい解説などは,次回以降の「読んでみた」シリーズでおこないますので,ご期待ください.お楽しみに...

 

最後までご覧いただきありがとうございました.

次回の記事もお楽しみに!!

世界で一番難しい論理パズルに挑戦 part.1

はじめての数学記事です.お手柔らかに...

世界で一番難しい論理パズル

まずはこちらの動画をご覧ください.(答えを見たくない方は問題設定だけでも確認してください)

 


世界で一番難しい論理パズルを実践してみた

 

これは,2019年5月24日(金)に開催された「数学デー」というイベントで取り上げられた論理パズルです.

 

数学デーとは,東京では週二回,大阪では週一回開催している数学のイベントです.

なので,愛知県在住の私は残念ながら参加できません...

 

その代わりに,たまに更新される「数学デー」Channel - YouTubeを見て,数学デーの雰囲気を味わっています.

 

余談はさておき,「世界で一番難しい論理パズル」について紹介します.

 

 二人の幼女AとBがいます.

悪魔が幼女Aにひとつの数を告げ,適当にポーンのおかれたチェス盤を見せます.

幼女Aはチェス盤(4×4)にポーンをひとつ置くか,ひとつ取り除くかして,悪魔に告げられた数を幼女Bに伝えなくてはいけません.

さて,どうすればよいでしょうか?

――― 「世界で一番難しい論理パズルを実践してみた」 概要欄より

 

内容を(動画の内容に合わせて)分かりやすくまとめると,

 

  1.  登場人物は,M(悪魔) A(幼女) B(幼女)の3人.
  2.  Mは4×4の上下左右が区別できる盤面上に適当な点を打ち,さらに1つの数(0~15)をAに告げる.
  3.  Aは盤面上の点を1つ増やすか減らすかする.
  4.  Bが盤面だけを見て数を当てる方法を述べよ.
 
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この問題はパッと見,漠然とした条件しか与えられておらず,解けそうにありません.

しかし実は,ちゃんとした解答が存在します.

 

時間に余裕のある方はぜひ,腕試しがてらに考えてみてください.

初回なので,今回の記事は短いですがここまで.

 

part.2 では,この論理パズルの解説をします.

最後までご覧いただきありがとうございました.

次回の記事もお楽しみに!

 

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 問題のヒントです

 

 ヒント1 2進数を使う

 

 ヒント2 mod(合同式)の考え方を使う

 

はじめまして

はじめての記事

 

上記のTweetがとても印象に残っています.

 

私はそれほど若くはないしそれほど才能もないけれども,インターネットの世界で見かける,いわゆる「ギフテッド」のような人たちに刺激を受け,(主に数学に関して)学んだことや,発見したことをどこかに残したいと思うようになりました.

 

(本当は,新型コロナウイルスの影響で高校が休校になってしまい,暇つぶしに記事を書いています.皆さんもこんな機会なんてめったにないですから,ブログをはじめてみては?)

ここでやりたいこと

現在高校2年生(新高校3年生)の私は,

 

  ・受験数学

  ・競技数学

  ・大学教養数学

  ・プログラミング

  ・その他数学の多分野

 

などについて学んでいる途中です.これらのことに関して,ひとまずは

 

「自分が理解できる」>>「読者にわかりやすく」

 

となるよう意識します.

 

読者の健全な理解のためには,自分自身の理解が必要になるからです.(もちろんわかりやすい記事になるよう,できる限り努力はします!)

 

このように,しばらくは「備忘録」のような使い方をします.

 

「それならブログじゃなくてもいいんじゃない?」と考える人もいるかもしれません.

しかし,パブリックな空間に自分の知識・思考をさらすことによって,それらにもっと磨きをかけられると思うので,あえてブログをはじめます.

 

わかりにくい点や改善点などあればどしどしコメント欄へご記入ください.

そんなこんなで

そんなこんなで,強い意志もなく,なんとなくはじめてみました.

今後とも「Fの数学メモノート」を宜しくお願い致しますm(_ _)m

 

はじめての数学記事はこちら⤵

f-mathnote.hatenablog.com