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大学生 数学をなんとなく

「読んでみた」シリーズ プロローグ

これから始まる「読んでみた」シリーズの紹介記事です.

「読んでみた」シリーズとは?

「読んでみた」シリーズでは,数学が好きな高校生である私Fが,今までに読んだ本(主に数学書)の感想・解説を書きます.

 

しかしながら,私もまだまだブログ・数学初心者です.

 

自分自身の文章力や数学力のレベルアップも兼ねて,記事作成を頑張ります.

わかりにくい表現・用語などがあれば,指摘してもらえると嬉しいです.

今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m

本の紹介

現在執筆中の記事は,

 

  • 加藤和也著『数論への招待』
  • 吉田信夫著『具体例で親しむ高校数学からの極限的数論入門』
  • テレンス・タオ著『数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方』
  • 長岡亮介著『東大の数学入試問題を楽しむ』 

 

 の四冊です.それぞれの本について簡単に説明します.

『数論への招待』

一つ目の『数論への招待』は,月刊雑誌『数学セミナー 』で2年半にわたって連載された記事を,一冊の本としてまとめ上げたものです.

 

三角形と素数の「神秘的」なつながりから,現代数学の一大テーマである「p進数」の世界へと誘う,素敵な本です.

 

独特な表現や語り口が癖になります.高校生でも楽しく読めます.

また,著者の加藤和也さんは数学の分野の一つである「整数論」の世界的権威でもあります.

 

p進数の世界は,昼間の星のように,めだたない見えにくいものです.けれども本当はこの宇宙は,そういう見えにくいもので支えられているのでしょう.

――― 加藤和也著「数論への招待 第2章 実数とp進数」より引用

 

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『具体例で親しむ高校数学からの極限的数論入門』

二つ目の『極限的数論入門』は,関西を中心に勢力を拡大している予備校「研伸館」の現役講師である著者が,高校生にもわかりやすく,無限和や無限積,面白い性質を持つ数たちについて説明しています.

 

タイトルに含まれる「具体例で親しむ高校数学からの」からもわかるように,手を動かし具体例を確かめながら読むと,より楽しめる本です.高校生でも気軽に読めます.

 

深く考えれば,どんな数学も楽しいものです.いろいろな具体例を考えていくことで,どんどん理解が深まるものです.そして親近感がわいてくるはずです.

――― 吉田信夫著「極限的数論入門 まえがき」より引用

 

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数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方』

三つ目の『数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方』は,あらゆる物事に通じる「問題解決の方法」を学べる良書です.

 

数学オリンピックを目指している人はもちろん,美しい数学に触れたい人にはお勧めです.

 

また,著者のテレンス・タオ氏は,国際数学オリンピック金メダリストに12歳の若さで輝きました.その才能衰えることなく,2006年には数学界のノーベル賞と呼ばれる「フィールズ賞」を受賞しました.天才すぎます...

 

(実はこの本は,テレンス・タオ氏が15歳の時に書いたものなんです...ひえぇ...)

 

古代ギリシアの哲学者プロクロスはこう言った.

「これが,ゆえに,数学なのである.数学は,目に見えない魂の形を思い出させる.数学は自分自身の発見物に生命を吹き込む.数学は私たちの心を目ざめさせ,知性を浄化する.数学は私たちの本来の考えを明るみに出す.数学は生まれながらの私たちの忘却と無知の状態に終止符を打つ.」

しかし私が数学を好きなのはただそれが面白いからである.

――― テレンス・タオ著「数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方 初版へのまえがき」より引用

 

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『東大の数学入試問題を楽しむ』

四つ目の『東大の数学入試問題を楽しむ』は,日本が誇る「東京大学」が今までに出題してきた数学入試問題を,著者が自分自身の思想や所感を絡めて紹介・解説している本です.

 

過去・現在・未来の情勢を,著者がユニークな切り口語り口で論じているので,数学が苦手な人にとっても,ひとつの完成された「エッセイ(もしくは評論)」として十二分に楽しく読めます.

 

著者である長岡亮介氏は,趣味に『数学教育』を挙げるほどの教育熱心な人で,数学の本質(社会の本質?)を伝えようとする一貫した姿勢は,本文中にも随所に表れています.

 

 実は,今日,「理系 vs. 文系」という分類自身が,すでに古くさい.

(中略)

今日のような複雑化した社会の中で,新領域を開拓していくためには,干涸びた類型にとらわれない自由な発想と,その発想を支える幅広い教養が必須である.他人と同じ発想をし,同じ規範で行動する,要するに,世間と時代に阿る態度では,到底,現代の困難を打開することはできるはずがない.

――― 長岡亮介著「東大の数学入試問題を楽しむ 第9話 理系 vs. 文系?!」より引用
 

筆者は,次世代を担う青年には,自分の人生はもちろん,社会の未来を切り拓く心構えと責任感をもってほしいと願う.

(中略)

「大の大人たち」すら「子供扱い」するこの国では,若者に対しては,もっとひどい子供扱いが罷り通っていることにも気づいてほしい.

――― 長岡亮介著「東大の数学入試問題を楽しむ 第29話 大人扱いの苦手な近年の日本」より引用

 

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今回は「簡単な紹介」なので,専門用語などの説明は省きました.

詳しい解説などは,次回以降の「読んでみた」シリーズでおこないますので,ご期待ください.お楽しみに...

 

最後までご覧いただきありがとうございました.

次回の記事もお楽しみに!!